2005.9.30.tue
プルルル・・・。
「はい、もしもし?」
「あ、そちら佐藤さんのお宅ですか?」
「いや、違いますけど」
「佐藤さんじゃないの?」
「はい」
「ほんとに?」
「ええ、本当ですけど」
「実は佐藤さんなんでしょ?」
「いえ、うち小林なんで」
「小林って!(笑)んな日本人いる訳ないじゃないですか!佐藤なんでしょ?!」
「そこらじゅうにいますよ。佐藤じゃありませんって」
「どうしても佐藤さんじゃないって言い張るつもりですか」
「言い張るもなにも佐藤じゃないんで」
「分かりました。じゃあ、クイズ対決をしましょう。僕が勝ったら佐藤だと認めてください」
「私が負けた所で佐藤じゃないんで認められません」
「では、クイズを始めます」
「話し聞いてる?」
「第一問!」
「聞いてないね」
「今、僕がなりたいと思ってる職業は!?」
「とんでもなく理不尽な問題だな」
「チ、チ、チ、チ」
「・・・歌手?」
「ブーブー!ハズレ!正解は法王でしたー!!」
「どんだけ夢見てんだよ。そもそも職業?」
「さあ、これで佐藤だって認めてくれますよねこば・・・佐藤さん」
「お前、今小林って言いかけたろ」
「いえ、言ってません」
「実は私が小林ってこと知ってたんでしょ?」
「何をいきなり。あなたは佐藤さんだ。小林なんて人間は知らない」
「嘘つけ。さっき言いかけたじゃない」
「うるさいよ!!!!バカ!!!!!!!」
「うわ、小学生並の逆ギレ」
「分かりました。仮にあなたが小林だとしましょう」
「小林だって」
「そこをあえて佐藤だと言って頂けませんか?」
「なんで?」
「お願いします。この通り」
「嫌です」
「僕、今土下座してます」
「知らないよ」
「全裸で」
「逆に嫌だよ」
「私は佐藤です、と言って頂くだけでいいんです!」
「・・・・・・」
「お願いします!!それだけで満足なんで!!」
「しょうがないな・・・でも、私は小林ですからね」
「・・・・う、うん?」
「濁すなよ。もう、嫌だ。絶対言わない」
「なんだよ!人が下手に出てりゃいいきになりやがって!!」
「本音が出たな」
「この佐藤!やーい、佐藤!お前の母ちゃん佐藤〜!!」
「悪口じゃないのに妙にむかつくな」
「お前の家の表札佐藤に換えてやるからな!」
「やれるもんならやってみろ。見つけ次第殺してやる」
「うわー!怖い!やっぱ佐藤の考える事は怖いで〜!」
「全国の佐藤さんに謝れ」
「うっさいバカ!死ね!!」
「二度とかけてくるな」
ガチャ。ツーツー。
プルルル・・・。
「はい、もしもし」
「あ、鈴木さんのお宅ですか?」
2005.9.25.tue
昨日はGa-Noise!に行って、それから四時間ほど寝て友達と図書館に勉強しに行くとういう超ウルトラSS難度の離れ業をした。
壮絶な眠気でもはや勉強どころじゃなく、ふと気がつくと何もしないまま30分経ってたいう事が何度かあった。
このままではいかん!と思い、僕は眠気を振り払う為にコーヒーを10本近く飲んだ。すると頭がみるみる冴えていき、今まで解けなかった問題や、
およそ僕の頭脳では到底理解でき無い公式がスラスラと思い浮かんでくるではないか。これは・・・いったい・・・。もしかして、コーヒーの効果?
普段あまりコーヒーを飲まないのだが、これほどまでに頭が冴える飲料だったとは!これはファンタよりも上位の飲料としてランク付けせざるおえない。
よーし、この調子でいけば試験も楽勝やー!!それから僕は物凄い勢いで知識を詰め込み、その容量は僕の一年分の勉強に匹敵するもので、とても有意義な時間を過ごしたのだった。
という夢を見た。図書館で。
2005.9.17.tue
例えばあなたがこの世の支配者で、世界を思うがままに操れるというなら、いったい何をするだろうか。
僕なら飢餓を無くし、環境問題を解消して、誰もが幸せになれるような世の中を作るだろう。あと上戸彩と付き合って、お金を100兆円くらい
僕のUFJ銀行口座に振り込み、永遠の命を手に入れて未来永劫幸せに暮らす。やがて、全ての幸福を体感した僕はこの世に飽きてしまう。
この世の全てを知ってしまい、生きる意味すら失った僕はやがて生に絶望し、自らの命を絶つことを決めるのだ。でも、一人で死ぬのは嫌なので、道連れに地球を爆破して皆で一緒に
天国に行く。こんな話しをしてたら友達に「一番タチの悪いタイプの人間」と言われました。彼のロリロリハーレム天国という夢よりはマシだと思います。
2005.9.09.tue
台風の心配もなくなったし、洗濯をしたんだけど、この前買ったTシャツに何やら黒い点々が付いていた。他の衣類が色落ちでもしたのかと思ったが、色落ちするような
物は一緒に洗っていない。首を傾げながら、とりあえず手洗いでゴシゴシとこすってみる。しかし、僕をあざ笑うかのように黒い点は一向に落ちる気配を見せない。
このTシャツが1000円くらいのセール品ならともかく、何と驚くべきことに4500円という驚愕な値打ちを持っていらっしゃるので、諦めるわけにはいかない。いったいこの黒い点は何だろうと
我らが父、インターネットを駆使して調べてみる事にした。5分後、あっさりと正体はわれた。黒カビ
ひぎゃーーーー!!カビかよ!おいおい、買ってまだ数回しか着てないのにカビるのか?!そう思ったが、どうやら洗濯機が黒カビに汚染されているとうつってしまうらしい。 僕はコインランドリーを使っているのだが、あのボロい洗濯機から察するに黒カビたちはそれは大層な文明を作り栄えていることだろう。カビるのも当然なのかもしれない。 とにかく、正体が分かったのだから対策もできるだろうと、さらに調べてみた。
『残念ながら、繊維についた黒カビは煮洗いや漂白でも落とせません。』
衝撃の結末。落ちないだと?そんなバカな。僕はさらに詳しく調べたが、調べれば調べるほど絶望の淵に落ちていった。塩素系の漂白剤を使えば落ちるといった情報を目にしたのだが、 それは白い衣類限定で色物には厳禁らしい。何を隠そう僕のTシャツは見事なまでの色物で白い部分など針の先ほどもないのだ。つまり、何をしても無事で黒カビを退治するのは不可能という結論に達した。
カビ如きで4500円をドブに捨てるわけにはいかない。僕はTシャツを掴むと洗面所に行き、洗濯剤をぶっかけて熱湯を浴びせた。先ほどの三倍の力でゴシゴシと洗う。しかし、黒カビは一向に落ちない。何なんだ。いい加減にしてくれ。 俺が何をしたって言うんだ?お前らに何か迷惑をかけたのか?もし、そうなのなら謝る。土下座でも何でもしてやるよ。だから、な?大人しく排水溝に吸いこまれてくれ。バイバイキーンとかうまいこと言いながら消えてくれよ。もう、僕のTシャツを開放してやってくれ・・・。
僕の思いも空しく、カビどもは「その程度の洗浄力じゃ我々は落ちませ〜〜〜〜ん(笑)」と言いたげな黒々しさで僕のTシャツにこびり付いて離れない。コインランドリーごと洗濯機を爆破してやりたい気持ちでいっぱいになった。 その後、四苦八苦と手を施したが黒カビの生命力をマジマジと見せ付けられる結果になり、今度からは洗濯機が汚れていないかよく確認してから使うという予備知識を得る変わりに、4500円が露と消えたのだった・・・。
2005.9.06.tue
昨日久しぶりにカミキリ虫を見た。田舎では頻繁に見るが、大阪に来てからは初めてみたかもしれない。黒いボディに長い触角、都会の排気ガスの中で威風堂々と
生きている彼は見ていて飽きない。何だか古くからの親友に逢ったような気持ちになり、僕はそっと手を伸ばして掴んでみた。カミキリ虫を持ったことがある人なら分かるかもしれないが、奴らは鳴く。
「ギィ、ギィ」という鳴き声を発しながら、彼は僕に語りかけた。純粋な心を持つ僕には時々虫の声を聞くことが出来るのだ。カミキリ虫「大阪むっちゃ暑いわー。車多すぎやねん」
僕「やっぱ、カミキリ虫さんでもこの暑さは厳しいんですか?」
カミキリ虫「当たり前やで。暑いだけならまだ許したるけどな、そのうえ人も多いし、都会やと木もろくにあらへん。ここも住みにくうなったで」
僕「大変なんっすね。こっち来てから初めてカミキリ虫さん見ましたよ」
カミキリ虫「最近はなー。やっぱ少なくなってるんちゃうん?この辺とか特に木が少ないやん。車も多いからちょっと移動したらすぐ踏み潰されんねん。この前も俺の従兄弟が トラックにやられてたわ」
僕「そうですか・・・。ご愁傷様です」
カミキリ虫「まあ、その辺はな。弱肉強食っていうか、自然の摂理みたいなもんもあるし。車を予測できなかったあいつも悪いからな。仕方ないねんけども」
僕「都会に生きる虫は大変ですね」
カミキリ虫「まったくやで。郵政民営化も大事かもしれへんが、ちょっとは都会の緑化にも力入れてって欲しいわ」
僕「そうですね。僕も人間として自然を大切にしていきたいと思います」
カミキリ虫「おう、頑張りや。あ〜キュウリ食いてー」
僕はカミキリ虫を近くの植木に離すと、都会に生きる虫たちの現状を危惧した。そして、暑いので家に帰ってクーラーの効いた部屋でアイスを食べたのだった。